ビジネス達人の教え

Episode #98: 売り込まず会社の魅力を自然に伝えるプレゼン

ビジネス達人の教え



ビジネスのプレゼンの場で、自社の魅力を伝えることの難しさについて、皆さんも感じたことはありませんか?
「ビジネスプレゼンのつもりが、気づけば宣伝になってしまった…」
「自社の魅力や価値を伝えたい気持ちが先行して、売り込みのように思われてしまった…」
こういった悩みを、私たちは多くのビジネスパーソンから伺います。
先日も、ある有名企業の社長とお話しをする機会がありました。その中で話題になったのが、まさにこの点。会社の価値を自然に伝えながら、相手に「売り込まれている」と感じさせないプレゼンの難しさです。

ビジネスにおけるプレゼンは、単なる情報共有ではありません。個人のブランド、プロフェッショナルブランド、そして会社のブランドを響かせる絶好の機会です。しかし、一方的な宣伝のように聞こえてしまえば、聴き手の心をつかむどころか、関心を失わせてしまうことも…。
では、どうすれば聴き手の共感を得ながら、売り込まずに会社の価値を伝えることができるのでしょうか?
私たちのプレゼン研修を通しても、まず大切にしているのは「売り込む」のではなく「信頼していただく」という視点です。この意識を持つだけで、伝え方が大きく変わります。
今日は、その具体的なポイントを5つご紹介します
それでは、早速売り込まず、信頼していただける話し方の具体的なポイントを5つ見てまいりましょう。

1. ストーリーを語る

プレゼンの中に、聴き手の心を引き込むストーリーを織り交ぜてみましょう。たとえば、ある社長の会社は、数十年前にわずか3人で始まった小さなベンチャーでした。彼らは業界に革命的な技術をもたらし、やがて世界中の人々の手に渡る製品を生み出しました。しかし、その道のりは決して平坦ではなく、数々の試練と挑戦を乗り越えてきたのです。
聴き手は、困難を乗り越えたエピソードや運命の分岐点に心を引かれます。「なぜ3人で始めたのか?」「どのようにして成長を遂げたのか?」といった背景に触れることで、会社の物語がより鮮明になり、聴き手の記憶に深く刻まれるのです。

2. 洞察を共有する

ストーリーを語るだけではなく、その中に秘められた「気づき」や「学び」を伝えましょう。たとえば、「ある決断が成功の分岐点になった」「この考え方が新たな道を切り拓いた」などの視点を交えることで、聴き手にとって価値のある示唆を提供できます。

3. データで裏付ける

ストーリーに説得力を持たせるために、具体的な数字やデータを活用しましょう。たとえば、「市場シェアが前年比○○%増加した」や「導入企業の○○%が生産性向上を実感」といったデータを示すことで、言葉に確かな重みが生まれます。
「データにはストーリーが必要であり、ストーリーにはデータが必要」とも言われます。感情に訴えるストーリーと、理性に訴えるデータを組み合わせることで、より納得感のあるプレゼンが実現できます。

4. 質問で繋がる

プレゼンの途中で聴き手に問いかけることで、関心を引きつけ、思考を促すことができます。「皆さんは、これまでに同じような課題に直面したことがありますか?」と問いかけるだけで、聴き手は自身の経験と結びつけながら話を聞くようになります。
また、質問を交えることで、聴き手はただ聞くだけでなく、心の中で対話を始めます。問いが投げかけられた瞬間、彼らの思考は動き出し、より深いレベルでの共感と繋がりが生まれるのです。それが、プレゼンターへの信頼につながります。

5. 第三者の声を活用する

自社の価値を伝える際には、第三者の評価を取り入れることで、より客観的な信頼性を高めることができます。たとえば、デール・カーネギー・コースが素晴らしいと私たちが単に主張するのではなく、「ウォーレン・バフェット氏がこのデール・カーネギー・コースを受講し、このコースが人生を変えたと様々なメディアで語っています」と伝えると、その言葉は客観的な重みを増すことになります。
自社の強みを示すために、クライアントや著名人の言葉を引用できないか、考えてみましょう。

5つのポイントいかがでしたでしょうか。

プレゼンの機会は、単なる情報提供の場ではなく、聴き手との信頼関係を築く貴重な時間です。強引な宣伝ではなく、ストーリーや洞察、データ、質問、第三者の声を巧みに組み合わせることで、聴き手の心に自然と響くプレゼンを実現できます。つまり、売り込まず信頼を得るという我々の最終的に得たい結果が得られるのです。
私たちは、聴き手に私たち自身をどのように記憶されたいのでしょうか?
その答えを意識しながら、聴き手に価値あるメッセージを届けていきましょう。

ですからみなさん、聴き手の心になじむメッセージを自然に伝えていきましょう。そうすれば、あなたの言葉が聴き手の心に響き、共感と信頼を生み出します。

関連ページ

デール・カーネギー・東京・ジャパンでは、最新情報やビジネス・職場・プライベートの課題を解決する
重要なテクニックなどをご紹介するメールマガジンを配信しています。