良いリーダーになる!
ソート・リーダーシップ・シリーズ ビジネス達人 #1 (リーダーシップ)
「生まれながらのリーダー」は存在するのでしょうか。
他者から信頼を寄せられる「リーダー」になるには、これまでに様々なことを経験したことをシェアしていくことが大切です。もちろん、生まれながらに家業を継ぎ「リーダー」になる使命の下この世に生を受けた方々もいらっしゃるでしょう。今日は、周りがついていきたい!と思う「リーダー」、信頼されて、尊敬される「リーダー」、本当の意味での「リーダー」になるという事をお話ししていきたいと思います。
「リーダー」という肩書きから部下やチームを我が物のように、あごで使っていたとしたら、本来のあるべき「リーダー像」とは違うのではないか。という事は、このエピソードにご関心をお持ち頂き、お聴き頂いている皆様でしたら明らかな事だと思います。
リーダーシップにまつわる華やかさや、その環境をすべて失っても、人々が慕ってくれるような人間に私たちはなれるでしょうか? 職場では、リーダーの定義はかなり限られており「リーダーはプロセスを管理し人材を育てる人」を意味します。地域社会、政府、趣味、ボランティア組織、もっと言うと家族単位や自分自身に対してなど、職場以外でもリーダーシップは広い意味で使われています。
他の人が喜んでついていきたい!と思うような優れたリーダーに、どうすればなれるでしょうか? 何かに秀でているという明白な資質をもってしても、「この人についていきたい!」と相手に思わせるには十分ではありません。専門分野での実績や優れた知識に敬意を表してくれていたとしてもです。
つまり「心」が重要という事です。リーダーシップが自己権力の拡大やエゴに根ざし、手柄を独り占めにしたいというものであるなら、残念ながら求心力を持たない例は私達は沢山見てきているように思います。良いリーダーシップとそうでないものとの違いは、強制力や組織上従う義務がないときでも、人がついていきたい!と思う気持ちがあるかどうかなのです。私たちはリーダーによって呼び起こされる「感情」によって、リーダーについていくのです。
有能な良いリーダー達は人の扱いがとても丁寧です。彼らは重要な原則を体現していて、その事によって私たちはそのリーダーを好きになり信頼するのです。これは原則を巧みに操る、感情のコントロールはありません。そうしたアプローチが存在することは確かだと思いますが、本心から行われていなければ最終的にメッキがはがれてしまうどころか、すぐに偽物に対する直観ともいえるセンサーが働き、違和感を感じられてしまう事でしょう。ここで取り上げるのはリーダーの「正しい心構え」、本当の意味の意図という事です。
「良いリーダーの心構え」についてお話ししましょう。
5つご紹介させて頂きます。
1.相手の立場に立って話をする
私たちは自分の事に無我夢中で、自分が世界の中心になったかのように他の人にあれこれしてもらいたいと思うことがよくあります。良いリーダーはお互いの利害の一致と合意を促す形で、お互いの利益と成長について語ります。
2.良い聞き上手になる。相手に自分の事について話をさせる。
ついつい自慢話が多いリーダーもいらっしゃいますね。そのような方々に我々はどのような感情を抱くでしょうか。自分ではなく相手の事を中心に会話を進めて信頼を築きましょう。相手の話に目と耳と心を傾け始めれば、願望、価値観、興味、経験のうえで共通項が見つかり、それがマグネットとなってお互いの関係が強固なものになります。
3.真心を込めて、相手が大切な存在であることを気づかせる
相手を褒めるときは「真心を込める」。相手に耳を傾ければ、能力や度量、強みがわかります。こうした資質をしっかりと伝えることで、相手に「自分は価値あるものの一部である」と感じてもらえます。 そしてその方は、さらに良いところを伸ばしたいと思う様になっていきます。ひいては、その方の弱点も目立たなくなり、最大限のパフォーマンスを発揮してくれるようになるのです。
4.相手の視点に立って誠実に物事を見ようと努める私たちは自分中心になってしまうことが度々あるかもしれません。デール・カーネギーの書籍にも書かれていますが、自分が一番関心を持つものは大抵「自分」です。相手の話に耳を傾けると、相手の考えの裏側にある背景が分かり、相手の見解や立場についての理解が深まります。お互いの波長が合わせやすくなるのです。そうすれば、お互いに共感し、支え合い、絆を深めることが可能になります。
5.直接指示を出すのではなく、質問する
控えめに自己発見を促すことで、同じ方向に向かう強力な力が解き放たれます。自分が相手の自信を引き出す触媒になるのです。人間は誰でも、より良い自分を感じさせてくれ、共通の目標を掲げる人のそばにいたいと思うものなのです。
これらの5つの原則をとりいれれば、人々は進んで私たちに協力をしてくれます。「自分」中心から「私たち」というマインドに変換する事を、「誠実」に行うことが大切なのです。アプローチを変えれば結果も変わっていくことが実感できることでしょう。
Dr. Greg Story
President of Dale Carnegie Tokyo Japan